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Archives for 3月, 2012

「みずたま模様」ができてきた。

3月も中旬になり、雪溶けも進んでます秋田。
春から夏にかけて、需要を迎える下駄ですが、
今年は1月頃よりひとつのテーマを決めて
オリジナル制作を試みました。
   ・・・
既製品で、頭に描いたような商品が
実物とカチンと合い、仕入れできれば
いいのですが、まあだいたいそんな事は
あり得ません。
それじゃあ、あーしたい・こーしたいと
製造メーカーにお願いして、創ったほうが
店主自身も納得するし、お客様も「ほうほう」と
喜んでくれるような気がします。

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試作の第1号が上の写真の花緒になります。
この春夏のテーマを「みずたま模様」と
していましたので、それをいかに当店風に
アレンジするか・・・となります。
男女問わず、洋服でも定番的な千鳥格子と
ピンクのみずたまを合わせてみました。
   ・・・
生地と生地の縫い合わせ部分も
花緒制作の職人さんが、「このパターンは
やったことない・・・!」という事ですが、
仕上がってみると、案外 あり です。
   ・・・
この写真の花緒はポップなみずたま
なのですが、他にも15種類ぐらい創ります。
あっ、もちろんオリジナルの雪駄もみずたま。

ご期待くださいませ・・・。

miNca と 加藤 で ・・・ 。

地元秋田の大曲に昨年7月にオープンした
日用雑貨・うつわ・家具miNca〈ミンカ〉。
店主の佐藤さんとは、オープン前から当店に
遊びに来てくれて、何かとお話ししてました。
   ・・・
オープン直前に近年にないくらいの規模の
洪水になり、miNcaも浸水の被害に・・・。
そんな困難を乗り越えてのオープン。
   ・・・
店主の佐藤さんもアツイ気持ちの持ち主で、
取り扱いアイテムの話になると、止まりません。

miNcaと言えば、「かご」。
青森や岩手からのかごはもちろん、地元秋田の
ぶどうつる や くるみ で編みこんだものも
積極的に取り扱っております。

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今回は、佐藤さんにお願いして、加藤のオリジナルを
制作依頼しました。
今まであまり見た事のないようなカタチで・・・。
無理難題を佐藤さんから創り手の職人へ伝えてもらい
ただ今進行中です。
   ・・・
上の写真は、そんな打合せ時の模様です。
今月末には納品の予定です。

楽しみ、楽しみ・・・。

スピードの加速・・・。

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今から数年前に、ただなんとなくですが、
想っていた事柄がありました。
   ・・・
地元 秋田の大曲は地域のお祭りのひとつに
「大曲の花火」があります。
この花火には全国から70万~80万人もの
観光客の方が大曲に訪れます。
   ・・・
この70万~80万人という数字が、
お祭りのひとつのバロメーターになり、
地域のひとつのブランドとなり、
「日本一」とか、「〇〇よりも大きい規模」とか
ひとつの見栄を張るような雰囲気を
出しているのも現実です。
   ・・・
そんな「見栄」みたいなものに、
とても違和感があり、逆説的な行動を
ちいさい店ながら、行動している・・・と
言いたいのですが、それが表に表れない。
そんな葛藤がありました。
   ・・・
そのひとつに、この70万~80万人と
数えているのは「人」の話です。
しかし、会場になっている河川敷付近は
雄物川が流れ、西に広がる山々は
大曲の人間にとって、大切な自然。
川や山には動物や植物もたくさん・・・。
きっと、その動物や植物も花火を観ている。
いや、「人」よりも楽しみにしているかも・・・。
   ・・・
そんな感覚がありました。
その次に「そんな絵柄があったらおもしろい」と
想うようになりました。
しかし、自分で描いても様にならないし、
受け入れられる自信もないし・・・。
そんな日々が続き、そして忘れてました。
   ・・・
それから数年経ち、今年のお店の年賀状の
イメージイラストを地元のイラストレーターに
お願いしたのを思いだし、
ちょっと相談してみました。
   ・・・
すぐに頭に描いていた光景が絵柄になりました。
こんなに気持ちいい事は久し振りのよう・・・。
それからはスピードが加速するように
トントンと創るアイテムや色合いなどが決定。
その途中経過が上の写真です。
   ・・・
ひとりで営んでいるお店ですが、
イラストレーターやふたりのデザイナーと、
かかわる人たちがいると、
展開や販売方法も違ってくる事でしょう。
今から、すごくすごく楽しみです。

伝わるかなぁ・・・。

おとなりの県から・・・。

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ご依頼のメールをいただいたのは
おとなりの山形県米沢市から・・・。
おとなりと言っても、米沢は福島に
近い地域になります。
   ・・・
つまかわは茶色地に白のドット柄。
ファーはオットセイですが、
今までよりも茶色っぽい雰囲気です。
花緒はビロードのからし色で
大人らしいはきものに仕上がりました。
   ・・・
秋田は今年、大雪になりましたが、
他県からの「雪下駄」のお問い合わせを
たいさんいただきました。
基本的に店主ひとりで、チマチマと
やっておりますので、なかなかスムーズに
対応できない部分があります。
しかし、こちらのお客様のように
ご自身が納得されるまで、
じっくりと、しっかりと選んでいただくと
とてもうれしく思うし、やりがいもあります。
   ・・・
1週間後は3月11日です。
すごくたいへんな事でしたが、
それぞれの地域の方が、少しずつですが
元気になっていると思われます。

それでいいと思います。

春は、まだか・・・?

   ・・・
1月と2月は本当に雪にやられっぱなしで、
何もできない〈やりたくない・・・〉状態でした。
2月も終わりと思っていた時に、
共にいろんな物事に対して闘ってきた
ブティックの店主さんの訃報を聞きました。
   ・・・
なんとも不思議なご縁があるもので、
以前は職場がいっしょでした。
私は、駅前の百貨店の閉店企画の仕事、
つまり、いかにスムーズに閉店するか・・・を
考えて実行する仕事。
彼女は百貨店の中にあるアパレルショップの
チーフという環境でした。
   ・・・
こちらはアパレルの「ア」の字も知らない。
そんな中で閉店セールを企画して
少しずつ売場を縮小していくやり方。
そりゃ売場の人はおもしろい訳がない。
口も利いてくれない日々が続きました。
   ・・・
月日は流れて、閉店セールも終了。
打上げがあり、偶然となりの席になり、
そこで、はじめて「御苦労さま・・・」の
お声を頂戴しました。
   ・・・
お互いに同じような時期に退社。
同じような時期にお店を営む事に・・・。
季節演出の話や小物の扱い方、
接客のアレコレ・・・など、
たくさん教えていただきました。
   ・・・
5年程前に病気が見つかり、
それから闘病しながらのお店をやる・・・。
今年に入って、ご本人から
「たぶん桜は見ることができない・・・」と。
   ・・・
お葬式に来られた面々の中に
お客様も多く参列されていました。
それはそれは喪服ながら、素敵な装いの
方が多いのにびっくりしました。
ある意味、地域のファッションリーダーでした。
そんな発信をするお店が
ひとつなくなった事も、とても残念です。
   ・・・
個人的には、さびしい雪解けです。