[ Content | Sidebar ]

Archives for 11月, 2008

雪下駄の試作品

2009yukigetashisaku01
いろんな方々のご協力を得て、
ようやく出来上がりました。

やはり爪革〈つまかわ〉部分の
調整がむずかしく、
生地が少しやわらかめなので
下駄本体と合わせるところで
苦労する部分があります。

2009yukigetashisaku02
横から見ると少し爪革が
ぽってりとしていますが、
どうしてもこんな感じに
したかったのです。

2009yukigetashisaku03
台は黒塗りの刷け目模様、
花緒は本革エナメルで
足のあたる裏側は
本天ビロードタイプです。

歯の部分はもちろん
「雪下駄」なので、
キチンとゴムがついています。

一番むずかしいのは
オットセイの毛皮を取り付ける事。
専用の接着剤を使用するのですが、
やはりいろいろと失敗も・・・。

いやはや「雪下駄」一足で
こんなにも多方面の方々の
ご協力が必要だとは・・・。

出来上がり、少しホッと
しております。

雪下駄・・・。その3

今年も夏が終わり、
そろそろ「雪下駄」の準備を・・・と
思っていた矢先に、
ふたつのこまった事が起きました。

ひとつは、お取引のあった
地方問屋さんの倒産です。

この問屋さんは店主と同じ年齢で、
まじめにコツコツと仕事を
されてました。

大阪方面からの商品が多く、
なかなか東北に流通しないものを
持ってきてくれていました。

しかし、ジョイフルシティの閉店により
その問屋さんも連鎖的に
倒産に陥ってしまいました。

そして、もうひとつは、
都内で「つまかわ」を制作される方が
ご病気で入院してしまいました。

しばらくは安静と言う事なので
仕事はできません。

このふたつの出来事で、
更に「雪下駄」の行方が
わからなくなりました。

9月・10月といろいろと試行錯誤し、
最近ようやく見通しがつきました。

12月の上旬には、
店頭に陳列する事ができそうです。

仕上がりましたら、
またここでご紹介したいと思います。

Mensyukigeta_2
写真は男性用の雪下駄です。
台の足が乗る部分が
茶竹表になっており、
冬でもあたたかいのです。

雪下駄・・・。その2

Yukigeta1
チャンスロスにおちいり、
翌年早めの仕入れを心がけても
上の写真のように「雪下駄」は
それぞれのパーツを
たくさん用意しなくてはなりません。

ましてや都心部ではほとんど
流通しないものなので、
ひとつひとつ説明して制作・・・。

それも一ヶ所ではできなくて
4つのメーカーで創ってもらいます。

それぞれを仕入れして、
当店で組み立てる・・・。
そして出来上がりとなります。

地元秋田の50代以上の女性ですと
お嫁入りの持ち物のひとつであった
「雪下駄」ですが、
ご時世ではこんな感じなのです。

そして、今年はまたひとつの
こまった事がおきました。

そのお話しは、また今度・・・。

雪下駄・・・。その1

Yukigeta3 
上の写真は女性用雪下駄。
昨年のものです。

「雪下駄」は明治時代中期から
庶民の冬のはきものとして親しまれ
昭和30年頃まで履かれました。

やはり北海道や新潟など、
雪の多い地方で量産されたようで
文化資料館などでも紹介されています。

それでは秋田ではどうかと・・・。
やはり文化として「雪下駄」は
ありました。

当店でも数多く販売されて、
また修繕も行っておりました。

しかし防寒ぞうりの普及や
近代化する床材などにより
「雪下駄」の姿がなくなりました。

店主がお店を引き継いだ5年程前も
ほとんど「雪下駄」をお求めになる
お客様はいらっしゃいませんでした。

しかし、3年程前に
ダウンジャケットやコートのフードに
ファーがついているものが出始めた
影響もあるかどうかわかりませんが、
「雪下駄」の存在が見直されてきました。

その3年前は、もちろん在庫がありません。
そしてすぐできる訳もありません。

結局チャンスロスになりました。

この続きはまた今度。